有事のスイスフラン買い継続、対ドルでは史上最高値水準で推移

【為替相場(FX)における注目ポイント】

米国長期金利の動向・・・明日からの米国債入札に注目。リビア情勢・・・内戦長期化なら原油高・株安・リスク回避の流れに注意。中国の経済指標・・・追加金融引き締め観測に注意。英中銀金融政策会合・・・金融政策は据え置きの公算。NZ準備銀行理事会・・・0.50%の利下げがコンセンサス。追加利下げ示唆すれば急落も。

有事のスイスフラン買い継続、対ドルでは史上最高値水準で推移

事実上内戦状態へと発展しているリビア情勢のみならず、中東で最大の米国の支援国と言われているサウジアラビアでも油田が集中する東部州で3日、イスラム教シーア派のデモが行われた。
中東の紛争

 

北アフリカ地域からアラブ諸国へと地政学的リスクが拡大していることを受け、『有事のスイスフラン買い』が継続している。また、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁が利上げに関して言及したことから、金利先物市場でも6月にもスイス中銀が6月にもECBに追随して利上げ行うとの観測もスイスフラン買いの要因となっている。

 

週明けもこれらファンダメンタルズを反映し、対ドルでは史上最高値となる0.92台でもみ合いが継続している。原油価格が上昇基調を維持すれば、世界景気への悪化懸念も合わさり、目先0.9200のラインを突破するかが焦点となりそうだ。

 

【テクニカル】ドルスイス
レジスタンス

0.9300(心理的ライン)
0.9298(一目均衡表/転換線)

0.9257(10日移動平均線)※弊社チャートシステム上

 

サポート
0.9202(3/2安値)

0.9200(心理的ライン)
0.9091(ボリンジャーバンド下限)※MA:21 σ2.0

 

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各国のインフレを警戒して揺れる為替相場(FX)

先週は、中東情勢による原油高を背景に各国のインフレを警戒するコメントが目立っていましたね。

 

バーナンキFRB議長は議会証言でデフレリスクが大きく低下したことに触れ、これまでよりインフレを警戒する発言をしています。先週金曜日の米雇用統計でも強い数字が出ており(ただし期待値が強すぎたため、雇用統計結果後にはドルの失望売りも出ました。)、景気回復に楽観的な見方がますます強まっています。信用不安であれだけ揺れたユーロでも、トリシェECB総裁がインフレを警戒して早くも利上げを示唆し、市場ではユーロ買いが行われました。

 

中国では人民元高を容認する方向と見られていますが、インフレ上昇圧力を緩和する効果を期待しているためと言われています。国が自国通貨をコントロールできる状況にあるからこそ「緩やかな上昇」という選択肢があるのですね。「緩やかな上昇」であれば、インフレ抑制の効果も期待できるのでしょう。

 

現在新興諸国においては国内インフレが加速し、その対策としての利上げが間に合わない状況です。利上げを行えば、市場で自由に売買できる通貨の場合、強烈な投資マネーの流入を招くことにもなり、通貨価値が一気に上昇、結果として国内産業(輸出産業)に打撃を与えることにつながります。実際、新興諸国はそのかじ取りに苦労していますよね。中国の場合、自国通貨と金利の変動を完全に国の管理下においている点が異なります。

 

日本はといえば、ガソリン価格の上昇、食料品価格の上昇など人々の生活に密着した部分での価格上昇は家計を逼迫しつつあるものの、経済全体としていまだインフレ懸念と言われる状況⇒つまり早期利上げを期待できるには至っていませんし、もちろん円高を容認などといったコメントはありません。

 

直近の3大通貨の動きとしては、ユーロ、米ドル、円の順番で上昇圧力があるのではないでしょうか。個人的にはこれ以上大きく円高が進むとは考えていません。

 

リーマンショック以降、世界経済は景気回復の速度と先進諸国においてはデフレに陥らないことに注視した政策を行っていました。インフレ懸念(期待)はすなわち景気回復期待であり、プラスの材料として市場は受け取ってきていました。利上げへの政策転換期待でもあります。

 

でも、現在まだ新興国、資源国を除いた先進国においては利上げへの政策転換はしていないものの、原油などの高騰を背景に急激なインフレ懸念が台頭、インフレは期待するものではなく、抑制が必要なものへと認識を新たにしてきています。

 

FX投資をする場合、こうした移行期、転換期というのは判断していく上で難しい時期といえます。同時に市場が動く大きなチャンスでもあります。大きな経済指標の発表時と同じですが、その大きな波に乗ることを選ぶか、波が過ぎ去った後にはっきりとしてくるトレンドをつかまえるかはFX投資スタイルにもよります。チャンスはリスクの裏返しでもありますので、十分注意していきたいものですね。

先週(2月28日−3月4日)の為替市場(FX)動向

28日からの週は、米景気回復とリビア情勢による原油高のせめぎ合いだった。米経済指標は雇用関連に強い結果が相次いだほか、製造関連も引き続き改善した。バーナンキFRB議長の議会証言ではインフレ懸念がこれまで以上に強調されていた。一方、リビア情勢が引き続き緊迫したことから原油が高騰、金の安全資産買いもみられた。
オイルマネー

 

株式市場や米債券市場は材料が交錯して神経質な振幅をみせた。為替市場でもドル相場の方向性はまちまちだった。個別の通貨をみると、ユーロはトリシェECB総裁が強くインフレを警戒、4月の利上げの可能性を示唆したことで買われた。ユーロドルは1.40台乗せの場面もあった。スイスフランも逃避通貨買いや中銀のインフレ懸念による利上げ期待から買いが先行した。ドルスイスは0.92近辺まで下落、史上最安値をつけている。一方、ドル円は米失業率が9%割れとなったことを受けて83円台を回復する場面があった。来週に政策金利が発表されるニュージーランドは地震の影響もあって利下げ観測がでており、NZドルは軟調だった。ポンドとカナダドルは各通貨に対してほぼニュートラルだった。来週も地政学リスクはまだテーマとなりそうだ。